「『口福』を実現するために。社員のために何ができるかを考えています。」

和田精密歯研株式会社 CAD/CAMセンター様(大阪府大阪市)

歯科技工の大手であり、全国に拠点を構える和田精密歯研。新大阪にある生産本部CAD/CAMセンターで、樋口常務、吉次係長に技工の将来への思いをうかがいました。

「当社は1958年に創業者の和田弘毅が創立し、来年で57年を迎えます。その当時、全く新しい技術であったメタルボンドの普及に努めるとともに発展し、今では補綴物全般を取り扱うようになりました。CAD/CAMシステムについては、20年前より臨床応用しており、現在では香川県にあるクラウンセンターを中心に全国にある主な工場に導入しています。当CAD/CAMセンターは、デジタルデンティストリーを専門的に行うために2011年に立ち上げた施設です。」(樋口氏)

CAD/CAMのお仕事はどのようにされているのでしょうか?

「クラウンセンターでは、大型マシニングセンターを使用してジルコニアをメインにe.max、チタン、Co-Crを加工しています。CAD/CAMシステムが導入されている工場では、DWX-50でCAD/CAM冠(ハイブリッドレジン)やPMMA、WAXを加工しています。当CAD/CAMセンターでは、レーザーシンタリングとDWX-4を使用し、金属焼付冠(PFMC)のフレームやCAD/CAM冠を生産しているほか、社内研修も行っています。」(吉次氏)

なぜCAD/CAMを導入されたのでしょうか?

「歯科技工は長時間の集中を必要とする職務で、社員への負担は大きいです。とはいっても患者さんを待たせるわけにはいきません。何とか工程の一部を機械化して生産性を保ちつつ、負担も軽減したいと考えていました。最初のきっかけは、2009年にアメリカの技工所を訪問した時です。そこではローランドさんのジュエリー用加工機を使用してワックスを加工していました。大阪に帰ってからデモまでしていただいたのですが、歯科技工用ではなかったのでその時は導入に至らなかったのです。その後、2011年に韓国のデンタルショーで専用機のDWX-30(日本未発売)を見たんです。これだと。」(樋口氏)

「この頃には各拠点への3Dスキャナー導入が進んでいて、さらにミリングマシンを導入することで、短納期での生産実現を目指していました。そこで再度ローランドさんに相談させていただき、ベンチマークテストを経てDWX導入に踏み切りました。当CAD/CAMセンターで作業を標準化し、地方の拠点に展開していくという流れです。今ではDWX-50、DWX-4を合わせて計13台が稼働するまでになりました。」(吉次氏)

導入前後の変化はありましたか?

「そうですね。最初はワックスとPMMA用途としてDWXを導入したのですが、最近はCAD/CAM冠の急激な需要の伸びにお応えするために、ほぼ全数をCAD/CAM冠用途に切り替えて使用しています。変わらず忙しいものの、機械化を進めたことで、技工士も以前に比べれば早く帰ることができるようになっています。やはり社員の健康があってこそですから。」(樋口氏)

CAD/CAMができる人材は限られるのではないでしょうか?

「ご存知の通り、歯科技工界は慢性的な人材不足と高齢化に直面しています。この状況の中で、CAD/CAMができる人材を育てていくためには課題も多くあります。当社では基本CADに1名、CAMに1名という分業体制で、アナログ工程の経験者を充てています。当CAD/CAMセンターで3週間の研修を行うことで、ほとんどがデザインを習得できます。その後は定期的なミーティングなどでサポートに努めています。」(吉次氏)

今後のビジネス展開について

「機械化による安さを売りにして競争に勝つことだけを目的にしては、長期的な発展は望めません。創業者は業界全体を良くしたいという思いでメタルボンドの普及に努めてきました。我々の業界を利益体質にもっていくためには、新しい技術を上手く活用して、技工の価値を高めるということに尽きると思います。そして皆が働きがいのある職場にすることです。CAD/CAMはその一つになるでしょうし、私たちもこれからの業界の発展に寄与していきたいです。」(樋口氏)

(2014年6月取材)

和田精密歯研 ホームページ: http://www.labowada.co.jp/