「全国の技工士が働きたいと思うような環境をこの地に作りたい。」

北アルプスの美しい山々が見える高原に位置し、自然豊かな環境に技工所を開設したデンタルクラフト。

勝野代表に、技工士として独立した背景と将来の展望をうかがいました。 (写真左: 勝野代表、写真右: 古澤氏)

設立の経緯を教えてください

「松本の歯科技工士学校を卒業後、クリニックで働いていました。家業が小売業だったのですが、急に親が倒れてしまい実家に帰ることになったのです。1998年に独立し、しばらくは1人プレハブ小屋で技工を行う一方で、家業も行っていました。それは大変でしたよ。」

CAD/CAMとの出会いはいつでしたか?

「デジタルに出会ったのは10年前の2005年です。独立後、幸いにも少しずつ技工士が増えていったのですが、技工の仕事は労働集約型なのでどうしても人に負担が掛かります。また、品質を追い求める職人肌の技工士が多いので、手を抜くことが難しい。多くの技工所が遅くまで仕事をせざるを得ないという環境にあります。そんな中、長時間労働を何とかしたいという思いでワックス用に機械を導入したのです。しかしそれが当時はうまく使えなくて。コンピューターも遅くて設計が思うように出来なくて、数ヶ月で見限りました。結局は手でやったほうが速かったのです。」

改めてCAD/CAMに注目されたのですね

「数年前から現実的なシステムが出てきたところで情報は取っていました。オープンシステムで選択の自由も広がりました。そんな中、キャドラボジャパンの古澤さんと出会う機会があり、いろいろと教えていただいたのです。」

「2013年、DWX-50にしようかどうか迷っていたところで突然、DWX-4が発表されました。早速東京に出て実機を見せてもらったところ、うちにはこれが最適じゃないかと。大きいものや複雑な形状は外に出そうと割り切りました。もしものトラブルで生産が止まらないよう、3台を導入することに決めました。その頃はまだ材料の種類も少なかったのですが、きっとローランドなら大丈夫だろうと半ば賭ける思いでした。」

どのように運用されているのでしょうか?

「CAD/CAMの運用、保守は古澤さんに任せています。現在は3台のスキャナー、2セットのCAD、3台のDWX-4、1台の他社ミリングマシンがネットワークで繋がっており、どのマシンからもミリングを行うことができます。これで生産量の変化に柔軟に対応できるほか、一部が壊れても生産を続けることができます。万が一機械のトラブルで納品できなくなっては患者さんが困りますので。ちなみに、オペレートは技工士2名が行っていますが、2名とも半年前まで一度もコンピューターに触ったことがなく、マウスの操作もおぼつかなかったのです。今では設計を普通にこなすことができますよ。」

導入後に変化はありましたか?

「うちの場合はタイミングが良かったというのもあります。最初はワックス専用機のつもりだったんです。技工士の負担を軽減して付加価値の高い仕上げの工程に専念できるように。これでも満足でしたが、ジルコニアやCAD/CAM冠の需要で状況が変わってきました。全体的にボリュームが増えたので、本来意図した効率化以外の効果も大きかったです。」

最後に、将来の展望をお聞かせください

「技工士は高齢化が進んでおり、毎年減少傾向にあります。技工士になりたいという若者も少ないです。したがって、今まで通り人に頼るやり方では将来、もっと労働環境が悪くなるでしょう。自分が若い頃の苦労を知っているだけに、CAD/CAMやデジタル機器に投資して少しでも省力化できればと考えています。そして、この地域の環境も魅力あるものにして、技工士になりたいという若者から注目されるラボにしていきたいですね。」

(2015年2月取材)

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